自然の摂理に学ぶ 全てが冬支度 厳しい冬に耐えてこそ
天が高く紅葉が美しい秋
葉は光合成を止めどんどん散らせて行く
余分なものを捨てて行く
根に栄養を蓄えるために
葉は今迄は余分なものではなかった
樹木の根にどんどん栄養を与えていた
それをあえて枯らして行き命を守ることに専念する
自然は偉大だねぇ
枯れた葉の層は根の保温効果になる
そして多くの栄養分を根に与える
一つの無駄もない営み
それに比べて人間は多くの装飾を捨てようとはしない
益々心にも虚栄心やらプライドなぞという飾りを増やし
身にも高価なものをジャラジャラとつけ出す
あくなき欲望は枯れることを知らない
益々高慢な人となって行く
パスカルは人間を『思考する葦である』と言った
その当時はそうだったのかも知れないですね
しかし今はどうだろう
人間は欲望を満たすためには手段を選ばない動物と化した
言い過ぎであろうか
少なくとも私にはそう観える
それでは私には欲望はないのかと問われそうだ
確かに欲望はそこに横たわっている
しかしその欲望は人間として『自然回帰』することに向けられる
いかに質素でいかに朴とつに不平不満を言わずに生きて行くか
そして誰もが今忘れているだろう自然や毎日の生活に感謝する心
そういう昔ながらの基本的な生き方に憧れる
これも一つの欲望でありましょう
冬に備えて漬物作りに励む
アメニモマケズ カゼニモマケズ
そう
もしかして私は宮沢賢治を好きなのかも知れない
ああいう生き方が好きなのに違いない
素朴さとシンプルな思考と奥深き人生
そこにはわずかのお金があればいい
そこには冬を越せるわずかのおかずがあればいい
そこには冬を越すための暖をとる少しの薪があればいい
人生でも一緒じゃないか
春には芽生えに心を弾ませ
夏には暑さの中で躍動し蜃気楼に夢を馳せる
秋には素朴な人となり詩を書きながら冬支度をする
心や身に着いた虚飾や罪穢れを払い清めて
唯人生の冬を乗り越えることだけを考える
今日の最後に庭先で見たキンレンカ(金連花)の花言葉の様に
愛国心を以って畑を耕し種をまきその成長を汗水たらして
本当に些細でも人の為 国の為 国民の為 世界の為に
役立てたらと思う日々が続く
散り行く木の葉を眺めながらそういうことを秘かに思っている
私こそが一番強欲なのかもしれない
厳しい人生の冬にまだまだ耐えて行く気概がなければ
心の開拓も難しいのではないか
しかしそれでも私はそういう人間になって行きたい
自然の摂理 人生の摂理に逆らうことなく
白鳳神社 宮司 宮川吉弘拝
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