花は散るけど根は残す 貴女はこの世で何を残して行く
花の寿命は短いと人は言う
人の寿命を長いと言う
もしかして長くも短くもないかも知れない
花の立派なところ
花弁を美しく咲かせ『色は匂えど散りぬるを』
しかしそういう無常をわきまえているのか見事に散り去る
しかし毎年根は増えて行く
それでは人はこの人生に何を残して行けるのか
財産は朽ち果てて行く虚構の世界
地位や名誉なんてまるで風の様に刹那の間に去って行く
今日も大者と言われた人の葬式に行って来た
耳を疑う言葉
悪口ばかりひそひそと聴こえて来るのだ
この世に何を残したのでしょうか
悪口を叩かれることを残して行ったのでしょうか
否 彼は彼なりに人の言葉を平然と受け流し生きたに違いない
そして子供達に多大なる多くの企業を残して行ったのである
子孫は人を人とも思わない人間に育ってしまった
横柄な態度と言葉づかい
それは頂けないものだった
西郷隆盛は言い放った
『人知るや否や 子孫に美田を残さず』
要は教育と精神だけを残して私はこの世を去るという
彼らしい論法であった
私もそういう生き方をしたい
亡き父の墓にも西郷隆盛の思想『敬天愛人』の愛を一文字頂いて
墓前に記している
私は子孫に精神こそがこの世で一番強いものであるという
教えを残して行きたい
それが根っこというものではないだろうか
子孫に美田を残さず
貴女は何を残して行く?
白鳳神社 宮司 宮川吉弘拝
« 『お彼岸』 ~巫女綴り~ | トップページ | 限界だと感じてからのひと踏ん張りがあれば ~巫女綴り~ »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 喧噪の中で凛と生きる (2017.03.12)
- 『花便り 菖蒲編』 ~巫女綴り~(2015.06.28)
- 神社にお越しの際は予約を入れて下さい 陰陽道(2017.01.03)
- 薄荷(はっか)の日 北の国から爽やかに ~巫女綴り~(2015.06.20)
- 境内咲いたに純白の芍薬 ~巫女綴り~(2015.06.17)