秋は人生の転換期 あなたは何を想うか 『牛の勧め』
春には草花の芽生えを喜び
夏には灼熱の太陽に心を躍らせる
秋には誰もが今年を振り返り詩人となる
冬は閉ざされた季節
人は路傍の人となる
あなたは秋に何を想うか
秋は人生を振り返る時期でもあり冬に向けて準備をする季節である
キリギリスの鳴き声が響き渡りそこにはセミの声はもう既にない
唯彼岸花が静かに咲き短い命を散らせて行く
そういう意味では秋は人生の振り返りであり明日への準備である
あなたの今年の人生は充実したものであったであろうか
中々思うようには行かない年であったであろうか
あなたは何を想うであろうか
季節は巡り行く
人は変わって行く
良い方向に変わる人は大変少なく多くは傲慢で自分中心の
人間に変わって行くものだ
それが世の常
あなたはそういう人間を見て嫌悪感を感じまた自分を振り返る
そして人間としての秋の実りを感じれたら嬉しいことだ
多くの人は忙しく慌ただしく生きて実りを手にすることは出来ない
秋だというのに実りなき人生を悟ることもなく秋の転換期に
夏を生きている錯覚と幻の中にいる
無味乾燥な死に急ぐ人生を選んではならない
それは砂漠にある湖の様な蜃気楼であるのだから
愚鈍で不器用な生き方は素晴らしい
器用になれば器用を素晴らしい自分の成長と人は勘違いする
夏目漱石は芥川龍之介と谷崎潤一郎に言っている
『文壇で人気が出ても馬のように人におだてられ走ってはならない
気に食わなければテコでも動かぬ牛のように生きるべきだ』と・・・
これこそが『牛の勧め』なのである
あなたはこの人生の転換期に何を考えるのだろうか
白鳳神社 宮司 宮川吉弘拝
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